2008年の出来事の1つに蟹工船ブームがある。プロレタリア文学に属する小説『蟹工船』の作者で、官憲に虐殺された小林多喜二が共産党員であったことから、蟹工船ブームと同時に日本共産党も注目された。

 日本共産党によれば、毎月1000人以上の入党者があり、そんな状態が20カ月続いたという。このことは、当時マスコミで大々的に報道された。

 では、現在の共産党員は何人いるのか。党員数は2~3年に1回開かれる党大会で明らかにされる(25回党大会は2009年総選挙のため2010年に延期された)。

24回党大会(2006年1月) 党員数 40万4299人
25回党大会(2010年1月) 党員数 40万6000人

 4年間の増減は「+1701人」。「毎月1000人以上の入党者」があった割には、ほとんど増えていない。

 志位和夫委員長の発表によると、この間に3万4000人の新入党員を迎えている反面、1万6347人の物故者が出ているという。物故者のほとんどは高齢党員と見られるが、それを差し引いても1万7653人党員は増えていなければならないはずだ。しかし、1万5952人の離党者(除名、除籍者を含む)を出しているため、党員増が約1700人にとどまっているのだ。

 「共産党ブーム」など、マスコミが騒いだだけで、実際はなかったのである。

破綻寸前の「赤旗ビジネス」

 それどころか、すでに共産党は壊滅的な危機に瀕している。財政が破綻寸前まで追い詰められているのだ。

 第1の原因は党員の高齢化である。日本共産党の党費は年収の1%。年収500万の党員なら、年間5万円だ。しかし、定年になり、収入が年金のみとなると、党員の収入激減に比例して取れる党費も減る。