1 はじめに

米空軍のF4戦闘機(1987年、ウィキペディア

 航空自衛隊岐阜基地飛行開発実験団には「試験飛行操縦士課程」(TPC)というテストパイロットを養成するユニークな課程があります。

 ご紹介するのは、内容的にはそのテストパイロットの卵たちに対して準備した私の経験談ですが、日本のビジネスマンの皆様に何かの参考になればと思います。

 飛実団のテストパイロットがこれまで開発に携わった装備品は、昭和40年代にはC1輸送機、F4戦闘機、T2超音速高等練習機。

 昭和50年代はF1支援戦闘機、T3初等練習機、F15戦闘機。

 昭和60年代はT4練習機、F4改戦闘機、平成以降はF2戦闘機、E767早期警戒管制機、KC767空中給油・輸送機、XC2次期輸送機とその関連装備品などを開発してきました。

 今後、XC2の技術・実用試験、F2戦闘機の技術的追認、BMD総合検証のほか、将来的にはUH60J救難ヘリ後継機やFXの導入、先進技術実証機による研究、さらに宇宙分野の研究開発での活躍も期待されています。

 航空自衛隊には33年ほど奉職いたしましたが、この間、約26年は防衛用航空機の研究開発に従事しました。

 このような経験の中から今回は「 T-2高等練習機からT-4中等練習機の開発上の主要トピックスと教訓」と「FS-X(F-2)支援戦闘機の開発上の主要トピックスと教訓」を2回に分けて皆様に紹介していきたいと思います。