(ゲッティ/共同通信イメージズ)

 昨年末から『週刊文春』が報じているダウンタウンの松本人志の性加害疑惑。報道を受けて活動を休止している松本は、5億5000万円の損害賠償を求めて『週刊文春』を提訴した。第1回の口頭弁論は3月28日の午後2時30分から東京地裁で開かれる。いよいよ『週刊文春』 vs 松本人志の法廷対決がはじまる。

 そこで思い浮かぶある光景。いまから13年前、東京地裁で私が見た刑事裁判でのことだ。

再びの対決

 松本の代理人は田代政弘弁護士であることが公表されている。田代弁護士は、もともと検察官だったいわゆる“ヤメ検”だが、検事を退官したきっかけが「懲戒処分」を受けたことだった。虚偽の捜査報告書を作成したのだ。

 これを法廷の場で暴いて、当人を前に厳しく追及したのが、いまも文藝春秋の顧問弁護士を務める喜田村洋一弁護士だった。私はその場面を傍聴席から見ていた。証人として出廷した田代検事を、まるで検察官のように厳しい口調で責める喜田村弁護士の姿は、いまでもよく覚えている。今回の裁判でも、喜田村弁護士が文春側の代理人に就く。