(写真:ロイター/アフロ)

 米アップル(Apple)の次期スマートフォン「iPhone 15」の生産がまもなくインド南部のタミルナド州で始まると、米ブルームバーグ通信米CNBCが報じた。

iPhoneのインド生産7%に

 アップルの主要サプライヤーである、電子機器受託製造サービス(EMS)大手の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業は、チェンナイ郊外のスリペルブデュール工場からiPhoneの新モデルを迅速に出荷すべく、準備を進めている。

 鴻海は中国工場からもiPhone 15を出荷する。その一方で、インド工場における出荷時期は、中国工場の出荷開始からわずか数週間の遅れにとどめる計画だ。これはインドでの生産拠点と、中国生産拠点のギャップを縮める取り組みの一環だという。

 米中間の緊張が高まるなか、アップルはサプライチェーン(供給網)の中国依存を減らし、生産をインドなどの新興国に移そうとしている。加えて、インドはモディ首相の下、米国との緊密な関係を築き、自国を製造業の中心地にしたいと考えている。

 ブルームバーグによると、iPhone 14より前のモデルでは、インドでのiPhone生産がごくわずかな数にとどまっていた。また、その出荷時期も中国から6~9カ月遅れていた。しかし、この遅れは22年に大幅に改善され、iPhoneの同国内生産は23年3月末時点で世界全体の7%にまで拡大した。

 23年の目標は、インドと中国の出荷を同じタイミングに近づけることだ。ただ、iPhone 15のインドでの生産規模は、輸入に大部分を頼る部品の供給状況と、工場の生産能力に左右されると、ブルームバーグは指摘する。