地方の鉄道は「地方の広告塔」

竹本氏:多くのローカル鉄道は沿線に観光地を擁していますから、そこに観光のお客様を呼び込むことが必要です。当社でも、銚子の町をPRして、お客様にたくさん電車に乗っていただく。そして、それをまた地元に還元するように考えています。

 確かに、全国で鉄道を利用するお客様が減り続けているわけですが、そのような時代だからこそ、地方の鉄道は、その地方の広告塔の役割を果たすべきで、情報発信基地でなければならない。私たちは、そのことを忘れてはいけないと考えています。

──鉄道があることで、銚子の名前を知っている人も少なくないと思います。

竹本氏:鉄道の存在を通じて、銚子の町の魅力を知って頂く。そのための情報発信は、現代の地方鉄道に課せられた使命であると考えています。ですから、私たちは沿線に住むお客様と、観光のお客様の両方を大切にして、地域との連携をどんどん深めてゆくことが、鉄道の明日につながるのだと思います。

竹本氏が銚子電気鉄道の社長に就任したのは、2012(平成24)年のこと。それまでは同社の顧問税理士を務めていた。自身が立ち上げたサイトでぬれ煎餅の販売を行って経営を支援した実績などが買われての社長就任だった。経営基盤が脆弱なため、様々な手を打ち、駅名のネーミングライツ(命名権)を販売したほか、夏場には電車をお化け屋敷に仕立てた「お化け屋敷電車」を運転して、定番に成長させた。さらには映画の製作、駅弁の販売、お菓子の販売、鉄道グッズの販売など、あらゆるものを商材として、オンライン販売も活用しながら売り上げを伸ばしていった。

 

 

駅の命名権を販売し外川駅は「ありがとう外川」駅に

──銚子電気鉄道は、これまでにも何度もの危機があったと伺っています。

竹本氏:いま、私たちがさまざまな活性化策に取り組んでいるのは、鉄道を存続させることのみが目的ではありません。鉄道の存続を前提として、それでは鉄道が地域に対してできることは何なのだろう?という問いかけであると捉えています。「地域の方への恩返しとは何か?」ということですね。