3月22日、岸田文雄首長と尹錫悦大統領の首脳会談に抗議する李在明「共に民主党」代表。手に持っているプラカードには「未来のため歴史を売ることはできない」と書かれている(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

(武藤 正敏:元在韓国特命全権大使)

 3月29日、韓国の野党・共に民主党(民主党)の議員89人は「日韓首脳会談は韓国政府の対応が屈辱的だった」として、政府の対応の真相究明のための国政調査を求める要求書を国会に提出した。

 3月16~17日に行われた日韓首脳会談の評価を巡り、韓国の政界と世論は今も揺れている。

尹錫悦氏の支持率、下げ止まったか

 同31日に公表された韓国ギャラップの世論調査によれば、尹錫悦大統領の支持率は昨年11月以来の最低値である30%にまで下落した。これは尹政権による元朝鮮半島出身労働者(元徴用工)問題に対する解決策の発表と日韓首脳会談の余波が続いているためという。また、福島第一原発の処理水の放出、福島産水産物の輸入論争も影響しているようである。

 他方、リアルメーターが3日に発表した世論調査によれば、尹大統領の支持率は前週から0.7ポイント上昇した36.7ポイントとなり下げ止まりの兆候を示している。これは日韓の問題の論争に関し、大統領室と与党・国民の力が積極的に対応したことが効果をもたらしたとしている。

 韓国国会は4月3日から3日間、対政府質疑を行う。その初日は政治・外交・安保分野となる。尹大統領の支持率が下げ止まったのか、今後も下げる余地があるのか与野党の攻防は激しく続いている。