写真はイメージです(出所:Pixabay)

(韓光勲:ライター)

 韓国に留学したい。そう思うようになったのはいつ頃からだろうか。

 僕は大阪生まれの在日コリアン3世である。名前は韓光勲と書き、「はん・かんふん」と読む。母方の祖母は1940年代、戦争が終わる前、幼い頃に韓国から日本にやってきた。祖母の父はすでに日本で仕事をしており、家族を呼び寄せた形だった。

 1992年生まれの僕は、小学校から韓国系の学校に通った。韓国学校といっても、いわば私立の学校で、日本の教育基本法に則った授業を行っている。日本の学校との違いは、ほぼ毎日ある韓国語の授業。それと、韓国舞踊、テコンドー。韓国の音楽、歴史や地理も学ぶ。

苦痛だった韓国語の授業

 小学生のころ、韓国語の授業はあまり好きではなかった。母国語と母語の狭間で苦しんでいた。今ふり返ってそう思う。

 ブリタニカ国際大百科事典によると、母語とは「ある人が幼児期に周囲の人が話すのを聞いて自然に習い覚えた最初の言語」である。一方、母国語とは「自分が生まれた国や所属している国の言語」だ。