(田中 美蘭:韓国ライター)
韓国の若者の間で、政治的分断が深まっている──。
そう痛感せざるを得ない世論調査結果を、今年に入って目にした。20代の約半数が「支持政党が異なる人との結婚は難しい」と回答したというものだ。
調査は、朝鮮日報が調査会社・KSTATリサーチに依頼して実施されたもので、同紙が1月に報じた。
※参考:朝鮮日報「韓国20代の半数『恋愛や結婚、支持政党が違う人とは難しい』」(2023年1月21日)https://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2023011980150
※参考:朝鮮日報「韓国国民の40%『政治傾向が違う人とは食事もしたくない』」(2023年1月20日)https://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2023011980146
調査対象者は1022人で、若者の民意を正確に汲み取っているかは定かではない。だが、支持政党が異なるということを持って結婚にノーの決断を下す若者が5割もいるというのは、十分に衝撃的な数字だった。
韓国社会における分断をここまで深めたのは、いったい何だったのか。
それは昨年5月まで5年間の、文在寅政権だったように思う。保守と革新の対立を色濃くし、その溝は世代間や性別間にも広がった。
尹錫悦政権に代わったものの、その禍根の根深さは相変わらずのようだ。そう感じさせる出来事が、筆者の身近で起きた。