6月1日、韓国では統一地方選が実施された(写真:AP/アフロ)

(田中 美蘭:韓国ライター)

 6月1日に行われた韓国の地方選挙は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領就任後の初の選挙だったが、一部の革新が強い地域を除き、保守与党である「国民の力」が圧勝した。

 3月の大統領選挙の候補者として出馬していた李在明(イ・ジェミョン)氏、安哲秀(アン・チョルス)氏も、それぞれ国会議員の補欠選挙で当選を果たした。

 今回の選挙で目についたのは若者達の挑戦だった。その中でも、当選を果たし、注目された若手候補者が2名いる。

※韓国では2020年4月に行われた国会議員選挙から公職選挙法が改正され、投票、立候補共に18歳以上で可能となった(ただ、立候補については国会議員、地方選挙に限り、大統領選挙については例外)

 一人は、ソウル近郊の京畿道高陽(キョンギドコヤン)市で、「国民の力」の比例代表で当選したチョ・スンア氏である。

 チョ氏は現在19歳の女性で、大学を休学して今回の選挙に挑んだ。10代での当選は最年少であり、一躍注目の的となった。チョ氏は「最年少というプレッシャーもあるものの、克服をして社会に貢献していきたい」と述べた。まさに、公職選挙法改正がなければ、誕生し得なかった政治家だ。

 そして、もう一人は同じく「国民の力」の候補者で、ソウル市冠岳(クァンガク)区の区議会議員に当選した崔仁ホ(チェ・インホ)氏である。

 崔氏は2001年生まれの20歳で、年齢でも注目を集めたが、それ以上に彼に関心が集まっている理由は、「単に若い」というだけではなく、3年前の彼のある行動によるものだ。