文在寅大統領が胸を張る「K防疫」もオミクロンの猛威を防ぎきれなかったようだ(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

(羽田 真代:在韓ビジネスライター)

 日本では3月21日をもって、「まん延防止等重点措置」が約2カ月半ぶりに全面解除されることになった。日本では、これから新年度を迎えるにあたり、人の移動が激しくなる。加えて、岸田政権は留学生の入国規制を緩和したから、再び感染者が急増することは間違いないだろう。

 ここ数カ月にわたって猛威を振るっているオミクロン株の致死率は、今年1月以降の暫定値で0.13%程度であったことが新型コロナ対策を検討する専門家グループから発表されている。これは、以前流行していた株と比較した際、はるかに低い致死率(2020年1月から2021年10月の致死率は4.25%)である。感染者が急増しても死亡者の比率は以前より抑えられるはずだ。

 欧米の一部地域では、既にマスク規制を解除している。これら国家に倣い、日本もそろそろコロナ禍以前の生活を取り戻すべきなのかもしれない。

 2019年12月初旬に新型コロナウイルスが中国・武漢より拡散した。直近のピークであった2019年7-9月時の名目GDPの季節調整値は約562.8兆円で、2021年10-12月の約540兆円と比較すると22兆円も減少している。それだけに、一刻も早く経済を成長させ、需要を回復すべきだろう。

「まん延防止等重点措置」の解除を否定的に見る国民も多いようだが、感染者を抑えたいのであれば、先ずすべきは留学生の受け入れを停止することだろう。

 日本へ来る留学生の4割以上(12万1845人<43.6%>、2020年年度データ)は中国からである。感染者が爆発的に急増している中国人留学生を受け入れるということは、即ち日本の感染者数が増加することにつながる。

 また、留学生数の出身国第4位が、筆者と関わりのある韓国(1万5785人<5.6%>)である。

 韓国の1日の新規感染者は3月17日に62万人を超えて世界最悪の感染状況となった。公表されているこの感染者数は、韓国政府が把握できている範囲の人数でしかない。韓国には現在、多くの「隠れオミクロン」が存在していると言われているから、政府の公表する人数はあまりあてにならない。