神話や迷信を信じて広める政治家は社会の毒素といってもおかしくない

 日本の西の方で「イソジン」などのポヴィドンヨード剤が「コロナウイルスを減少させる」云々、多分に衛生機関が提出した常識的なリポートを、必要な前提となる学術見識のない人が勘違いして、大きな騒ぎにしてしまっているようです。

 バカも休み休み、という話ですが、身近な若い人たちと少し話をしてみると、意外に本質的な誤解をしているケースもありそうに思われましたので、分かりやすい例で確認しておきましょう。

 先に結論。ヨード殺菌剤を飲んでも、新型コロナウイルスの予防効果もなければ、発症している病状の好転効果なども一切「ありません」。

「確認されていない」などと、科学的に正確な表現を取ろうとしても、それを読み取れないリテラシー欠如がマスコミにまであるようですので、明記しておきます。

「薬効はありません」

 薬理を考えても期待できるわけがない、まともに大学教養程度の教育を受けていれば自明の内容がすでに社会に通用していない、末期状態に警鐘を鳴らす必要があると感じます。

酒を飲んだらコロナが死ぬか?!

 石鹸やアルコールで手を洗うと、手に付着したウイルスや雑菌が破壊され、殺菌消毒の効果があります。

 厨房に立つ人などは、そうやって自分の手の衛生管理に気を配る必要があります。

 であるとするなら、体の中に存在するウイルスや雑菌を除去するのにも、アルコールや洗剤が役に立つだろう・・・という発想を持つ人が、善くも悪しくも世界には存在しています。

 では、コロナ感染が怪しい、というひとが、台所の中性洗剤をごくごく飲んだとして、それで肺炎や関連症状がよくなる、と思われる方がありますでしょうか?

「さあ、これからアルコールでウイルス退治だ」と お父さんが焼酎とサキイカなど持ち出してきたら、それは話が違うというものであって、落語みたいなお笑いになる。

 かと思いきや、そんなことはないんですね。残念ながら21世紀の国際社会には、いまだ「中性洗剤ごくごく」「焼酎チューチュー」の類、つまり科学的低見識の極みのようなものを目にします。