野辺山宇宙電波観測所。大きなパラボラ・アンテナが45m電波望遠鏡。左は八ヶ岳

 7月2日、優秀番組に贈られる「57回ギャラクシー賞」(放送批評懇談会)が発表された。テレビ部門大賞を受賞したのが、テレビ信州制作の「カネのない宇宙人 閉鎖危機に揺れる野辺山観測所」である。大賞選評では、「国からの交付金削減で日本の基礎研究が衰退していく現実を見事に浮き彫りにしました。経済的利益を優先する国の政策に警鐘を鳴らした秀作です」との評価を得た。

 舞台となったのは、JBpressでもおなじみの国立天文台・立松健一教授が第13代所長を務める野辺山宇宙電波観測所(長野県南佐久郡)だ。野辺山観測所は1982年に開所。直径45メートルの電波望遠鏡で銀河の中心に超巨大ブラックホールがあることを初めて観測するなど、数々の成果をあげ、電波天文学の聖地と呼ばれている。しかし財政難により本館が閉鎖され、その結果、外部研究者の観測所を訪問しての共同利用観測ができなくなるなど、存続の危機に陥っている。

 そんな立松教授が、原始星(赤ちゃん星)が生まれそうな場所を世界で初めて見つけたという。さっそく話を伺った。(JBpress)

オリオン座で星が生まれる場所を探せ!

──立松先生が主役(?)の番組がギャラクシー大賞を受賞されましたね。おめでとうございますと言ってよいのかわかりませんが、ご感想は。