2003年に「ワークマン」を発掘・投資していた!

 実際にこのファンドが発掘したテンバガーの一例が下記です。なんと日本のワークマンも含まれています。

『フィデリティ・ロープライス・ストックファンド』が世界で発掘したテンバガー
『フィデリティ・ロープライス・ストックファンド』が世界で発掘したテンバガー出所:フィデリティ投信ホームページより

 ここ数年、ワークマンは一般顧客向けのアウトドアウェアの拡充や、新業態店のWORKMAN Plusの展開などで株価が高騰しました。そのワークマンに同ファンドは2003年から投資していたというから驚きです。当時はまだ演歌歌手の吉幾三さんがCMのキャラクターを務めていた時代。その時から将来の成長性を見出していたとすれば、銘柄選択の能力はずば抜けていると思います。

 フィデリティの考えるテンバガーを見極める条件は、「成長」と「割安」がキーワードになります。まず成長の原動力になるのは、市場の予想を上回る需要の拡大や競争力です。こうした成長のポテンシャルを保有しているにもかかわらず、市場がそれを適正に評価していなかったり、悪材料の影響を過大に織り込んでいたりすることで、株価が割安に放置されている企業こそ、テンバガーになり得る銘柄というわけです。

 そして同社独自のグローバルな調査網と徹底的な企業調査によって、成長力が高いにもかかわらず割安に放置されたテンバガーを発掘することで、先の『フィデリティ・ロープライス・ストックファンド』は、約30年の運用で、約43倍のリターンを上げたのです。

 同ファンドは厳密には、今回日本で設定された『テンバガー・ハンター』とは異なりますが、同様の運用担当者、投資哲学、運用戦略に基づくということなので、十分参考になるでしょう。