こんにちは、世界を旅する犬猫写真家、新美敬子です。今回の訪問先はギリシャ、エーゲ海東部のドデカネス諸島です。前編ではコス島で優雅に行き倒れている猫たちを紹介しました。

ギリシャで優雅に行き倒れている愛らしい猫たち
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/58902

 きょうは日帰りで、コス島の隣りにあるカリムノス島に出かけます。カリムノス島では、女性に親切にしたら、その飼い猫から恩返しをしてもらいました。今でも思い出すと感動してしまいます。まずはそのお話をしましょう。

 崖の上に張り付くように立っている家があり、玄関までの上り階段はとても傾斜が急です。買い物袋を持ったおばあさんが、階段の下で休んでいました。彼女の飼い猫がやって来て、彼女の足に体をすり寄せました。力になれず困っている様子です。

 とりあえず買い物袋を預かり、手を差し伸べれば、女性は、鉄の手すりとわたしの肩の両方を持って、ゆっくりと階段を上りました。

 あぁよかった。と階段の下に降りると、さっきの猫がわたしの目を覗き込むようにじっと見つめていました。

 すると猫は、「カモン、ついてきて」というようなアクションをした後で、ときどき振り返りながら歩きはじめました。わたしは、彼の後をついて行くことにしました。

 路地の角を2度曲がって、短い坂道を2つ降りたところで、「ここだよ」と扉の中へ入って行きます。