——地方移住でキャリアアップ、という成功例とはどういうものなんですか。

中村 われわれが人材を紹介している福岡の企業は、大きく分けて3つの属性の企業に限定しています。

 1つ目は、地方の有望なベンチャー。ここは即戦力や経営幹部候補のような人材を求めています。地方の元気ある企業で、第一線でバリバリ働きたい、という方に向いています。

 2つ目は地場の大企業です。地方銀行や地元マスコミ、電力やガスなどのインフラ系の企業で、いわば地元の優良企業です。

 こうした企業は新卒プロパー主義の採用が中心で、そういう人材は既存事業のオペレーションについているケースが多い。そういう中、「新規事業やイノベーションを担える人材を」となると、外部から招くしかない。そこに東京でそうしたキャリアを積んだ人材へのニーズがあります。

 3つ目は地場の老舗企業です。これまで地元でチェーン展開をしてきたが、これから全国展開、海外進出を考えている、なんていうタイミングで経営幹部のニーズが出てきたり、家族経営からプロ経営者の経営に変わり、社長の右腕になるような人材を求めていたりというケースが結構あります。

中村義之氏

 この3つの属性の企業を、東京で活躍するビジネスパーソンに紹介させていただいています。東京でしている仕事と少し毛色は変わるかもしれませんが、それぞれやりがいもあり、地元から愛され、かつ自身も貢献実感を持てるような転職先だと自負しています。

東京と地方とで異なる企業カルチャー

——そういう企業に移られた方はその後、どんな実感を持たれているんでしょうか。

中村 正直に言えば、プラスマイナスの両面あります。

 プラスに関しては 、「地元に根差した企業で地元に貢献できている実感がある」というもの。例えば「でかい仕事をしたい」と思って東京の大企業で働いていれば、その希望もある程度叶えられる。だけどポジションが上がっていくと、仕事の規模は大きくなっても、「手触り感」とか「お客様の顔」というものとは縁遠くなっていく。そこに充実感を感じられなくなる人が多くいます。

 だけど福岡に帰ってきた人からは、「お客様の顔も見えるし、貢献実感もある。めちゃくちゃ充実しています」という声をもらうことも少なくありません。

 一方、マイナスに関しては 、東京の企業カルチャーと地方のそれにはやはりちょっと違う面があります。ロジックよりも人間関係が優先されるウエットな部分ですね。そこに悩まれる方もいますので、そこは橋渡しをしたわたしたちがしっかりと伴走して、いい意味でのアウトサイダーとしてフィットしていけるよう協力する体制をつくっています。