残った「四天王」はイバンカと娘婿ジャレッド
2016年米大統領選で苦戦を強いられながら最後の最後でヒラリー・クリントン民主党大統領候補を打ち破ったドナルド・トランプ氏には「四天王」がいた。
スティーブ・バノン選対委員長(大統領首席戦略官=65)、外交ブレーンだったマイケル・フリン氏(国家安全保障担当補佐官=60)、そして長女のイバンカ氏(37)とその夫、ジャレッド・クシュナー氏(38)の4人だ。
政権発足後、フリン氏は就任24日後に去り、バノン氏も政権1年後に事実上解任されている。
残る2人は、今もトランプ大統領の超側近として君臨している。ジャレッド氏は大統領上級顧問、イバンカ氏は大統領補佐官だ。
長女と娘婿。大統領の虎の威を借りて内政に外交に隠然たる影響力を与えてきている2人のことを「ジャバンカ大統領」(Jared+Ivanka=Javanka)と米メディアは呼んでいる。
保守派論客のアン・コールター氏*1、は「All hail to President Javanka」(ジェバンカ大統領万歳)と皮肉たっぷりにご両人を厳しく批判している。
(http://www.anncoulter.com/columns/2019-04-10.html)
*1=2016年大統領選中から終始一貫トランプ氏を支持してきたが、不法移民流入防止の国境の壁建設でトランプ大統領が弱腰な姿勢をとったことから一転反トランプ路線をとり始めている。特にジャレッド夫妻には終始一貫批判的だ。
肩書と権力を握った史上初の「ファースト・ドーター」
大統領史に詳しいジョシュア・ケンダル氏によれば、大統領の娘で時の大統領の右腕として活躍したのは、セオドア・ルーズベルト第26代大統領の長女、アリス氏だったという。
ルーズベルト大統領は「私は国を動かすことも娘アリスの言っていることに耳を傾けることもできるが、両方いっぺんにやることはできない」とこぼしたことがある。それほどアリス氏の助言を重視していた。
イバンカ氏のように公職にはつかなかったが、ワシントンの社交界を舞台に各国外交官とも親しく接し、1905年には大統領の名代でアジア5か国を親善訪問している。
「アリスはイバンカと同じように容姿端麗で洗練されていた。もっともアリスは自分でデザインしたハンドバッグを売るようなことはしなかったが・・・」(ケンダル氏)
ロナルド・レーガン第40代大統領の長女、モーリン・レーガン氏も大統領に女性問題などで助言を与え、自らも政治活動に強い関心を持っていた一人だ。共和党全国委員会の共同委員長を務めたこともある。