米大統領選に立候補したピート・ブティジェッジ市長(左)とパートナーのチェステン氏

泡沫候補から一気に「ビッグスリー」へ

 「37歳 同性愛市長が出馬表明、支持率急上昇で注目」

 こんなニュースが全米を駆け巡っている。名前は「Pete Buttigieg」(BOO-tih-jej)。

 「何て読むの?」「このへんてこりんな名前?」「いったい、何者か?」

 37歳はドナルド・トランプ大統領の長女、イバンカ・クシュナー大統領補佐官と同い年。娘婿のジャレッド・クシュナー大統領上級顧問より1歳若い。

 トランプ大統領の「懐刀」、マイケル・ミラー大統領上級顧問兼首席スピーチライター(33)より4歳年上だ。

 ミレニアム世代などまだまだだと、ベイビーブーマー世代が小ばかにしているうちにミレニアム世代は着実に権力の中枢に入り込み、権力者の座を狙うところまで来ているのだ。

 「どうして、同性愛者が市長になれたのか?」「地方都市の市長がどうして大統領を狙うの?」

 「世論調査の支持率が急上昇しているのはなぜか?」「民主党予備選ではどこまでやれるんだろう?」

 中西部インディアナ州サウスベンド市*1の市長、ピート・ブティジェッジ氏が4月15日、大統領選民主党予備選に正式立候補した後、全米がざわめいた。

*1=インディアナ州北部の人口10万人の小都市(人口規模では静岡県三島市や岐阜県多治見市と同じ)。隣接市にはカトリック系の名門校、ノートルダム大学がある。人口の60.5%が白人、26.6%が黒人、ヒスパニック系13%。1968年以降、市長は民主党が独占、市議会も民主党が過半数を占めている。自動車メーカーのスチュードベイカー工場があったが、63年に閉鎖され、活気を失った。その後、ハニーウェル・エアロスペースやボッシュなどの部品工場が進出している。

 民主党大統領候補指名を争う候補はまだ正式に立候補表明していない人を含め4月17日現在17人。まだ増えそうだ。

(世論調査の支持率トップのジョー・バイデン前副大統領はまだ立候補していない)

 そうした中で2月の時点では1%前後だったブティジェッジ氏の支持率が急上昇。