南シナ海でフィリピンに攻撃あれば米が防衛、ポンペオ氏 中国けん制

フィリピン・マニラで同国のテオドロ・ロクシン外相(左)と握手するマイク・ポンペオ米国務長官(2019年3月1日撮影)。(c)Andrew Harnik / POOL / AFP〔AFPBB News

 「火種の島」で知られる南シナ海の南沙諸島(英語名はスプラトリー)。

 フィリピンが実効支配しているパグアサ島(フィリピン名、英語名はティトゥ)はここに位置している。

 この島を巡り、フィリピンと中国の間にいま緊張が高まっている。

 ワシントンポストなど米メディアなどによると、パグアサ島近海で今年1月から3月末までの間、中国船が数百隻航行しているのが確認されという。

 3月29日、フィリピン政府が外交ルートを通じ中国政府に抗議を行ったことも明らかになった。

 フィリピン軍幹部によれば、中国の船舶やボート、計275隻がパグアサ島付近で航行するのを確認しているという。

 同幹部は「こうした中国船は、同海域への侵入と離脱を頻繁に続けており、実態はつかめていない」とし、実際には、「(この数より)はるかに多い船舶の航行があるのではないか」と警戒を強めている。

 一方、上陸や災害対処の訓練を行うフィリピン軍と米軍、豪州軍による定期合同軍事演習「バリカタン」が1日から12日まで、フィリピン各地で展開されている。

 今回、初めて投入されている米軍の最新鋭ステルス戦闘機「F35B」は、長崎・佐世保基地に配備中の強襲揚陸艦ワスプに搭載されたもので、同軍事演習中、南シナ海上空を飛行している。

 主に、ルソン島西部のサンバレス州沖から内陸のタルラック州を目指すが、フィリピンと中国が領有権を争うスカボロー礁(中国名・黄岩島)は、そのサンバレス州にある。

 同海域の航行を拡大している中国海軍を牽制する目的だ。