「一緒に働きたい」という思いが共有された組織の強みとは。

 優秀な人材の確保は、いつの時代も企業にとって重要な課題である。しかし、苦労して人材を採用しても、社風とのミスマッチなどから定着しない、うまく育てられないという悩みの声は無くなることがない。

 そのような中、ユニークな採用活動で組織の理想を最大限に追求する企業がある。英語コーチングサービスの開発・運営を行うGRIT(東京都港区)は、「『一緒に働きたいと思う人』を採用する全社員採用」を創業時から行い、成長を続けている。

 GRITが行う「全社員採用」とはどのようなものなのか。また、組織全体にどのようなメリットがあるのか。GRIT取締役副社長COO山碕峻太郞(やまざき・しゅんたろう)氏と、人事部マネジャー市丸沙矢子(いちまる・さやこ)氏に話を聞いた。

GRIT取締役副社長COO山碕峻太郞氏(左)と、人事部マネジャー市丸沙矢子氏。

フィーリングを重視

 GRITが進める全社員採用とは、入社して1カ月以降の社員全員が、面接官として採用活動に関わるというものだ。

 GRITの人材採用ステップには、まず書類審査があり、それをパスすると1次面接、2次面接、3次面接と進んでいく。2次面接は人事部の担当者が、3次面接は役員が対応するが、最初の1次面接がこの全社員採用のステージとなる。

 1次面接の面接官となった社員は、志望者と1対1で30分間会話などをし、この会社のカルチャーに合う人物かどうかを判断する。2次面接以降ではスキルやマインドも含めて活躍が期待できるかも判断する。