若者と上司の考え方の溝はどうしたら埋まるのだろうか。

 いつの時代も、「最近の若者は・・・」と上司が嘆くというのはよくあることだろう。昨今では、ミレニアルズ(1980年以降、2000年前後生まれ)と言われる世代の若者とそれより上の世代(以下、便宜的に「上司世代」と呼ぶ)の「組織」や「仕事」に対する根本的な価値観の違いが、職場において新たな問題を引き起こしているようだ。

 そこで、若者の育成に長年取り組み、2017年には若者からの学びを推奨する「オトマナプロジェクト」*1を立ち上げたリクルートマネジメントソリューションズの桑原正義(くわはら・まさよし)氏に、そうした価値観の相違を乗り越え、若者と上司世代がともに幸せに働くためのヒントを提示してもらう。

*1:「大人はなぜ若者に学べないのか」プロジェクト
https://www.recruit-ms.co.jp/issue/inquiry_report/0000000678/

桑原正義(くわはら・まさよし)氏。リクルートマネジメントソリューションズ 事業開発部 主任研究員。1992年人事測定研究所(現リクルートマネジメントソリューションズ)入社。2005年から「新人・若手が育つ組織づくり」に関するコンサルティングやトレーニングに携わる。2017年、中竹竜二氏(日本ラグビーフットボール協会コーチングディレクター)と共同で「オトマナ(大人はなぜ若者に学べないのか)プロジェクト」を発足。

「育たない」「辞めてしまう」若者に悩む上司世代

――職場における上司-部下問題はいつの時代も存在すると思いますが、近年、新たな問題も起きていると聞きます。上司世代と若者の間で起きている問題とは一般的にどのようなものなのでしょうか。