CNNテレビといえば米国の主要ニュースメディアのなかでも一貫した反トランプ傾向で知られてきた。そのCNNが10月上旬の報道で、「トランプ大統領の勝利」という表現を用いて同大統領の業績に初めて前向きな評価を表明した。トランプ大統領には相変わらず深刻な欠点や問題があるものの、米国や世界を変える変革を実行していることは認めるべきだ、という論調だった。米国政治の現在の姿を伝えるこのCNNの評価は、日本側でも注目すべきであろう。
保守派の長年の夢がついに実現
CNNは10月6日、最近の同大統領の業績を分析し、高く評価するニュース解説を放映した。CNNのベテラン・ジャーナリストでホワイトハウスを長年、担当するスティーブン・コリンソン記者による報道と評論だった。
この報道は「トランプ氏はいまほど大統領としてうれしい時間を過ごしたことはないだろう」と記し、トランプ大統領は異端な言動も多く論議を呼ぶことが頻繁だとはいえ、「この数日間で少なくとも2つの政治的な足跡を残し、突然の歴史の高まりをみせた」と述べていた。
コリンソン記者はトランプ大統領の足跡としてまず以下の2点を挙げていた。
・最高裁判所の判事に保守派のブレット・カバノー氏を任命することに成功した──歴代の共和党政権は最高裁判事9人の過半数を確保することを40年以上も目指してきた。その目標をトランプ大統領は達成した。