「マンダレーの死」――。
ミャンマーのフォークシンガーが歌うその歌は、ユーチューブで公開され、瞬く間に拡散し、おおよそ100万人が怒りと悲しみに包まれた。
「異邦人(中国人)にめちゃくちゃにされた」「この都市に住みついたあいつたちは何者」「私たちの愛するマンダレーは死んだ」――。
ミャンマー人が中国人移民に乗っ取られた故郷、マンダレーを嘆くフォークソングだ。
中国人が、地元企業を買い漁り、国民であるミャンマー人が故郷を追われ、異邦人の中国人が我が物顔で自分たちの故郷を占拠したと歌う。
前回、「ついに頓挫か 中国人100万人マレーシア移住計画」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53936)で、マレーシア第2の都市、ジョホールバルに移住計画を企ててきた中国が、マハティール首相の誕生で苦境に立たされている様子をお伝えした。
そして8月27日、マハティール首相は「外国投資歓迎・外国人不動産取得認可」の一貫した国の政策変更はないものの、「永住権や市民権を目論んだ」不動産取得は認められないとし、中国人による違法かつ不正な不動産取得の契約合意内容など事実関係の再審査を決定した。
マレーシアの場合、マハティール首相が、先月の訪中で「新たな植民地主義は受け入れられない」と中国を公然と批判。同月末の米ワシントン・ポスト紙は「マハティール首相の中国に対する外交姿勢は、極めて正当なもの」と高く評価した。
一方、東南アジアでは、中国投資により経済では一定の起爆剤になったものの、大量の中国人移民を阻止できず、中国人の大量移住により、すっかり変貌してしまった都市も出てきている。
その一つが、「アジア最後のフロンティア」と言われるミャンマーの中心に位置する第2の都市で最後の王朝の古都、マンダレーだ。