台湾の蔡総統、中台関係の改善望む 中国新指導部発足受け

台湾・台北で演説する蔡英文総統(2017年10月26日撮影、資料写真)。(c)AFP/Sam YEH〔AFPBB News

 金門島という島をご存知だろうか? 台湾本島から台湾海峡を挟んで西に約270キロ、中華人民共和国の福建省厦門市の沖合いわずか5キロの場所に浮かぶ、中華民国の実効支配下にある地域だ(下の地図)。現在、この島がちょっとホットな話題の場所となっている――。

赤い丸で囲んだ場所が金門島(Googleマップ)
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砲戦記念イベントを欠席した蔡英文

「なぜ、蔡英文は島に来ないのか?」

 今年(2018年)8月23日、かつて陳水扁政権時代の副総統だった呂秀蓮が金門島を訪れた際に、地元住民からこうした質問攻めに遭ったと台湾紙『自由時報』が報じている。呂は記者会見の席で「台湾は(金門島に対して)情がなさすぎる、冷たすぎる。もしも金門が存在しなければ今日の台湾はなかったでしょう?」と発言。蔡英文の姿勢を批判した。

 この日は、過去に中華民国軍と大陸の人民解放軍が金門島をめぐる激しい砲撃戦「八二三砲戦」を開始した日からちょうど60年目にあたる。この日の前後、台湾からは当時の戦役に参加した老兵600人以上が島を訪れて記念イベントに参加し、往年の戦いを偲んだ(下の写真)。

「823砲戦」から60年、金門島で開催された記念式典の様子。AFP動画ニュースから (c)AFP〔AFPBB News