【写真特集】サッカー歓喜の日本代表、アジア杯4度目の頂点

決勝点を決めた李忠成〔AFPBB News

 あれは、ボレーシュートで良かった――。

 李が放ったボレーシュートがゴールに突き刺さり、試合を決め、アジアの頂点に輝いた日本チーム。

 予選から順風満帆ではなかったものの、次第にチーム力が高まっての優勝である。

 さて、交代した選手が活躍することで、ザッケローニ監督の名采配ぶりが評価されている。我々なりに選手交代におけるチーム力の変化をFFS理論に基づき、考えてみたい(FFS理論についてはワールドカップを分析したこの記事を参照)。

ボレーでなくトラップしていたら外していた?

【写真特集】サッカー歓喜の日本代表、アジア杯4度目の頂点

オーストラリアのカール・バレリとボールを競り合う長友佑都〔AFPBB News

 李は試合後すぐにインタビューでは自分のことが中心。また翌日のインタビューで「自分のシュートを興奮して朝まで見続けていた」と答えている。

 これらのコメントから自己顕示欲が強く、ナルシシスト的な側面が窺える。

 この因子は拡散性の因子であり「良く見せたい」という意欲が強いと推察される。

 ゴール前で完全にフリーになっていた状態である。トラップしてより安全にシュートする選択もあった。敵のディフェンスの動きから、李には余裕もあった。しかし、本人は「トラップしたらダメだ」と勘が働いたという。

 彼の個性は、挑戦的で創造性が高い。魅せる動き方の方がモチベーションは高くなる。恐らく、彼の個性と瞬間的に放出されるアドレナリンが、難しいシュートを選択させたのだ。安全策としてトラップしていたら、逆に“ポカ”した確率が高くなっていただろう。

あえて挑戦し、掻き回す個性が欠けて、パスの供給先が減っていた

 さて、この日の編成を見てほしい。先発の攻撃陣は、本田と岡崎を除き保全因子が高い傾向にある。

※FFSの各因子の特徴
Aは凝縮性。こだわりの強さを示し、決断力、指導性に影響を与える
Bは受容性。受け入れる強さを示し、貢献、献身、柔軟さに影響を与える
Cは弁別性。ドライに割り切る強さを示し、合理的、現実的な判断に影響を与える
Dは拡散性。飛び出し動き回る強さを示し、攻撃性、創造性、自在さに影響を与える
Eは保全性。維持、継続、繰り返しの強さを示し、守備、緻密、密着さに影響を与える