地形以外の面からみても、兵員輸送用の装甲車の必要性は低下している。日本を除く諸外国では偵察・攻撃用ドローンの調達が進み、歩兵から装甲車まで装備が進んでいる。ドローンに即座に発見・攻撃されてしまうため、装輪装甲車が誇る機動性も今や無意味となっているのだ。実際、北部方面隊がドローン「スカイレンジャー」を試験目的で一時的に採用したところ、火力誘導における観測能力が大幅に向上するなど大きな効果が認められたという。

 また、対戦車ミサイルの性能は威力・命中率ともに大きく向上しており、対戦車ミサイルを装甲で防ぐのは困難になりつつある。それを考えれば、装甲にこだわることは費用対効果に優れない選択といえよう。

日本に必要な装甲車とは?

 もちろん一部の部隊には装甲車も必要だろう。それは、偵察(センサー)用と攻撃(シューター)用である。要するに、ドローンを積載し、偵察や攻撃を最前線の最前線で行う車両のみ、ある程度の装甲をまとった車両を少数用意すべきなのである。その他はトラックや高機動車で十分である。

 現在、ドローンの性能は飛躍的に向上している。6月に実施された「湘南UAVデモンストレーション」にて、日本初のデモ飛行を披露したイスラエル製偵察ドローン「G2」は、「雨天でも飛行可能」「2時間近く飛行可能」「赤外線センサー(6倍)・高性能カメラ(40倍)積載」という機能を誇り、たった600万円である。また、ポーランド軍は自爆ドローンを100セット(合計20万ドル)購入し、歩兵や装甲車に積載するとしている。このドローンは1セットに10機搭載され、12キロメートルを偵察飛行可能な上、最終的に1.4キログラム弾頭を相手にぶつけられるという。