物流・ロジスティクスの先進情報が収集できる日本唯一・アジア最大級の専門展示会「国際物流総合展2018 LOGIS-TECH TOKYO 2018」が、2018年9月11日(火)から14日(金)までの4日間、東京ビッグサイト(東京国際展示場)で開催される。同展示会は、隔年で開催され、今回で13回目を迎える。今回は出展者数も出展規模も過去最大となる見込みだ。展示会の狙いについて、事務局長を務める公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会 常務理事の寺田大泉氏に聞いた。
メインテーマは「ロジスティクスの今を知り未来に触れる」
国際物流総合展は、最新の物流システム機器や情報システム、サービスなど、ハードとソフトが集結し、国内外のロジスティクス関係者が一堂に会するとともに、活発な情報交流・ビジネス交流が行われる総合展示会である。
13回目を迎える今回のメインテーマは「ロジスティクスの今を知り未来に触れる」となっている。その意図を、寺田氏は次のように語る。
「本展は1994年の初回開催以来、過去12回、最新情報の発信・産業振興・ビジネス交流の場として、来場者、出展者、双方にご活用いただいています。一方でここ数年、来場者からは、『製品やサービスの説明を聞くだけでなく、それらが自社の課題解決にどう役立つのか、といった観点での提案がもらえる場であってほしい』との要望を多くいただいていました。それを受け、2014年からは来場者の視点からテーマを設定し、本展が課題解決の場であることを強くアピールすることとしました。併せて、出展者に対しても、来場者の課題解決に向けた提案をいただけるような出展を推進しています」
メインテーマの「ロジスティクスの今」というキーワードには、ロジスティクス・物流を取り巻く現状を来場者や出展者にしっかりと認識してもらい、問題意識を持って、解決のために何をすべきか、一緒に考えてほしい、という思いを込めているという。
「ロジスティクス・物流を取り巻く環境について言えば、少子高齢化やニーズの多様化などに伴う労働力不足が大きな課題となっています。たとえば、トラックドライバーへのなり手不足や高齢化が年々深刻化しています。このほか、新たな物流拠点を設けようとしても、そこで働く人が採用できないといった声を聞くことも少なくありません。このままでは、モノが届かない、いわゆる『物流クライシス』が現実のものになりかねません。メーカーや物流事業者、流通・小売など、ロジスティクス・物流に関わる各プレーヤーが現状を正しく把握し、実体経済をモノの面から支える物流を止めないためにはどうすべきか、各々の立場でしっかり考える必要があります」と寺田氏は警鐘を鳴らす。
全体最適の観点で各プレーヤーが活動することが求められる
将来的には、人口減少に伴い、日本の市場規模は縮小していくことが予想されている。日本企業は、新興国市場をはじめとする海外に活路を求めなければならなくなってくるだろう。当然ながら、市場のグローバル化の進展にともない、競争相手もグローバル化することになる。
「ROE(自己資本利益率)やROA(総資産利益率)などを重視した経営を進める海外勢に比べて、日本企業が互角の勝負ができているかと言えば、まだ備えは十分ではないでしょう。特にビジネスの成否を左右するロジスティクスの高度化は依然として主要な課題になっています」
寺田氏によれば、グローバルに活躍する企業では、海外にロジスティクスネットワークをきちんと構築するとともに、世界規模でロジスティクスに関するKPI(重要業績評価指標)を設定し、ロジスティクスコストを把握の上、サービスレベルとコストのバランスがとれたマネジメントを実践しているという。
むろん、日本企業の中にもこれらの取り組みを始めているところがないわけではない。「ただし、現状は個々の企業が自社の利益を追求する部分最適のレベルにとどまっています。このため、日本企業が抱える大きな課題を解決するまでには至っていません」
部分最適のみが志向されることになれば、個々の企業の経済活動自体も停滞しかねない。最近では、荷主連携による共同物流や、物流センターでの荷下ろし・荷積みの予約システムの活用なども始まっているが、「これらの取り組みを含め、全体最適の観点で、ロジスティクス・物流に関わる各プレーヤーが活動することが求められています」と寺田氏は話す。
課題解決を一緒に考え、ビジネスを生み出す場にしてほしい
ここまで日本企業および日本のロジスティクス・物流が直面する状況について寺田氏に聞いた。課題は多いとしながらも、寺田氏はその解決も可能だと次のように語る。
「ロジスティクスをめぐる技術の変化には著しいものがあります。中でも、ハードとソフト、人の力を組み合わせて価値を生み出すロジスティクスオペレーションの世界は、日本が強みとする領域です。ロジスティクスをめぐる最先端の技術は、将来、モノの流れを変革させる大きな可能性を秘めていると思います。メインテーマの『ロジスティクスの未来に触れる』というキーワードに示したように、今回の展示会においては、新しいテクノロジーを活用した、今までにない新しいソリューションや労働力不足の解決に向けた新製品などが数多く出展されます」
ロジスティクスをめぐる、課題解決の方策の一つとして、物流の自動化・省力化による生産性の向上が注目されている。その鍵として、あらゆるモノがネットにつながるIoTやAI(人工知能)といったテクノロジーの活用には大きな期待が寄せられている。トラックや自動車の無人運転や、完全自動の無人倉庫といった、一昔前は夢物語だったロジスティクスの未来が、もう実現の一歩手前まで迫っている。
「大きな特長は、テクノロジー自体の進化はもちろんのこと、最新の技術を安価で活用することができるようになっていることです」と寺田氏は加える。中堅・中小企業にもこれらのメリットを享受できる時代になっているわけだ。
「今回の展示会は、出展者と来場者がさまざまな課題の解決策を一緒になって考える場であるとともに、新たなビジネスを生み出す場であってほしいと願っています。そのために、展示会の会期前に来場希望者が抱える課題を抽出し、課題に対応する製品や技術を出展する企業から紹介していただく『マッチングサービス』なども無料で提供しています。特に、今回は、労働力不足など業界内での大きな課題、すなわち登るべき山も見えていることから、いい出会いがある展示会になるのではないかと期待しています」と寺田氏は力を込める。
その言葉どおり、サプライチェーン全体の課題を明確にした上で、それを解決するために自社はどうすべきかという思いのある企業にとっては非常に有意義な機会になるだろう。加えて、アジア最大級の規模の展示会に集まった、業種など異なるフィールドの、豊富な事例を見ることでも、新しい発見や気づきが得られるに違いない。ぜひ国際物流総合展2018に来場し、そのきっかけをつかんで欲しい。
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【第13回国際物流総合展9/11(火)~9/14(金)】は過去最大規模で開催予定!
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