米国の保健医療「あらゆるものが高額」、他の富裕国の2倍近い支出

インフルエンザの予防接種を受ける男性(2011年3月29日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / Jesus Alcazar 〔AFPBB News

 製薬企業からの医師支払いデータについて分析を進めている。今回の記事においては、それぞれの製薬企業の情報公開体制についてフォーカスを当てる。

 この連載の初回記事において第一三共の情報公開体制について分析したが、それを日本製薬工業協会(以下、製薬協)に加盟している71社全体に広げた内容である(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53293)。

 対象とした製薬企業は以下のURLから確認することができる。(http://www.jpma.or.jp/tomeisei/guideline/2016.html

 まず各企業が支払いデータの閲覧・使用に際し、禁止事項を定めているか評価した。

自由なデータ閲覧は10%未満

 その結果、自由なデータの閲覧・使用を認めていたのは、ポーラファルマ 、ユーシービージャパン、あゆみ製薬、テルモ、日本新薬、ヤンセンファーマ、中外製薬の7社(9.9%)のみであった。

 その他の製薬企業は禁止事項を列挙し、申請者がそれらの文言に了承した場合のみデータを公開するという体制を敷いていた。

 注意していただきたいのは、データ利用の制限は、個人名と紐付けされていない「講演会等会合費」や「説明会費」にも及ぶことだ。

 個別の医師への支払いと異なり、これらのデータは個人情報にさえ当たらない。このようなデータの利用に制限を設ける意味はあるのだろうか。

 また、支払いデータ公開の開始日と終了日も統一されていなかった。これは、内資企業と外資企業のデータ公開開始日が異なっていることに言及したわけではない。

 内資企業の公開開始日が4月1日であるのに対し、外資企業のそれが1月1日であることは、決算のタイミングを考慮すれば致し方ないと思われる。