今回も前回に引き続いて、社会とビジネスを変えていくようなITを見ていきたい。前回はネット上の無料電話サービス「スカイプ」を取り上げた。
次に挙げられるのは「ツイッター」である。最近、私の周りでも始めている人が多い。
外食している最中に料理の写真を撮って「呟く」と、「その店にはこんな料理もある」とか、「その料理ならこちらの店の方がおいしい」とか、即座に反応がある。これではアナログな情報誌は不要になる。
最近、ある芸能人が不倫問題をツイッターで暴露してマスコミを賑わしたのは、記憶に新しいところだ。ビジネスの世界では、新商品を開発する際に消費者の多様な価値観を取り入れるためにツイッターを活用している会社もある。
先日、私の友人が本を書き、その出版記念パーティーに行ったところ、著名な経営者が数多く来場していて驚いた。だが、私の友人はその大半の経営者たちと面識がないという。なんと、ツイッター仲間が集まったというのだから、不思議な現象である。電話やメールなどではなかなかアポイントが取れないような経営者たちなのだが・・・。
ツイッターを通じて「ホッピー」好きが集合
ビジネスにおけるツイッターの役割、機能は「情報発信、情報収集、コミュニケーション」といったところだろう。
和服の着付けの先生をしている私の知人が、最近ツイッターを始めた。先日、会って話をして驚いたのだが、ツイッターで知り合いになった青森の呉服屋との間で和服の売買が始まったという。ツイッター上だけで信頼関係が築けているのである。
また、知り合いのIT企業の社長は、「今、ホッピー飲んでます」と呟いたことから「ホッピーを楽しむ会」の開催につながり、50人を集めようとしたところ、最終的には80人も来たらしい。「本当に楽しかった」という。これもすごいことである。
マスコミの速報も、ツイッターの生の声にはかなわなくなっている。戦場など危険な場所からのニュースも、ツイッターで伝えられる時代が来るだろう。
ツイッターだと、情報伝達のタイムラグがないのが最大のメリットである。ただし、噂話やデマが流れるなど、情報の信憑性が問われる可能性もあるので注意は必要だ。
フェイスブックは「とにかくハマる」らしい
今後、ツイッターと並んで注目すべきなのは「フェイスブック」である。加入者数は2010年末に全世界で5億8000万人に達し、売上高は20億ドル、純利益は4億ドルと公表されている。