最後の理由はトランプ本人の性格に由来するものである。

 以前に発言した内容と真逆のことを平気で述べられる無神経さは、トランプの真骨頂である。

 周囲がどう考えようが構わないかのような振る舞いである。大統領という要職にいながら、熟考せずに発信するツイートが株価だけでなく、世界情勢に大きな影響を与えてしまうことの重要性をどこまで理解しているのか。

永久に離脱と言った舌の根も乾かぬうちに

 それこそがトランプらしさと言ってしまえばそれまでだが、世界のトップと目される米大統領としてはお粗末である。

 政治家の中にも以前の政策や信条と違う考え方を抱くことはある。だがここまで顕著な人は稀有である。

 トランプが選挙中に掲げた公約は、大きなものだけでも10ほどある。その1つがTPPの離脱だった。

 しかも2017年1月の政権発足後、3日目にTPPから「永久離脱する」と明言したのだ。「パーマネントリー(永久に)」という単語を使ったが、「いまは状況が違いますから」と簡単に公約を反古にするかに見える。

 ここまで、トランプの心変わりの起因について書いてきたが、TPPの総体を眺めた時、米国が協定に入ることで他の11カ国は米国という大きな市場を手に入れることになる。

 TPPは3月8日、米国を除く11カ国が南米チリで「TPP11」の文書に署名している。

 いまは各国がそれぞれの国で、承認を進めている段階で、2019年の発効を目指している。米国が参加することになれば歓迎されるべきことである。