観光がつなぎ留める伝統の水上マーケット ベトナム

ベトナム・カントーのカイラン水上マーケットに続く運河で、住まいにしている船の中で孫を見つめるはかりの修理師(2017年7月17日撮影)。(c)AFP/Roberto SCHMIDT〔AFPBB News

 筆者が住む東京西郊の八王子市は人口56万人余の学園都市として知られ、大学も多い。外国人も1万人以上在住し、大部が留学生である。電車に乗り合わせたり道路で行き合ったりすると、なるべく声をかけるようにしている。

 ほとんどが高等教育で来日している留学生なので、勉強と日本理解に尽力し、帰国後は生計とともに両国の架け橋となることを意識した若者のように見受けられる。ところが、語学留学などで来ている外国人には問題山積のようである。

 2008年に始まった「留学生30万人計画」の下、平成28年(2016)度の留学生数は約25万8000人となっている。

 トップ3の中国約9万8000人、ベトナム約5万4000人、ネパール約1万9000人で留学生全体の約72%を占めている。この中には語学や専門学校で学ぶために来日している者も多く含まれている。

 また、1993年に始まり、農漁業や建設、食品製造、そして本年初めて人を対象とする「介護」が加わった技能実習制度がある。日本で学んだ技能を母国に移転することを目的に途上国から受け入れており、平成28年度は約21万1000人である。

 建前は技能の習得と移転であるが、現実は労働力の補充となっており、また、送り許や受入国の関係機関への管理費などが実習生の給与から天引きされ、日本人との格差などから失踪したりする問題が発生している。

外国人による事件の頻発

 筆者は1975年に初めて米国に行き、驚いたことがあった。デパートの背広などの商品が盗難予防のために鎖で結わえつけられていたことであった。

 当時、日本は石油ショックに見舞われ、夜間にガソリンが抜かれる事件なども時折起きていたが、デパートの背広などが盗まれる話は聞かれず、先進国の米国とは何だろうと考えさせられたことがあった。

 ところが最近では、スマートフォン端末やパソコンなど、あるいは少し高価な商品などは細い鎖や磁石などで結わえつけられ、またゲームソフトやプリンターインクなどはケースや引き換えカードが置かれ、本物は会計時に渡されることも多い。

 店舗の有効活用と盗難予防策などが関係しているようだ。

 盗難を含む各種事件が日本人と外国人の間にどんな割合で起きているか詳らかでないが、時折、外国人による組織的な犯罪が報道される。

 2000年代初頭、留学生や技能実習を隠れ蓑に、日本を荒らしまわった中国人グループに爆窃団というのもあった。

 窃盗グループを率いた中国人は財をなし、帰国してプール付の豪華な家で生活しているというルポもあった。本国に帰っても日本で育てた一味は“仕事”を続けており、分け前はしっかり貰らえるシステムを作り上げているのだ。