女性を中心に「断捨離(だんしゃり)」がブームとなっている。断捨離は、ヨガの行法哲学である「断行」「捨行」「離行」の考え方を実生活に適用させた生き方論で、2010年末の「ユーキャン新語・流行語大賞」にもノミネートされた言葉。今年は本格的にブレークする予感がする。

 提唱者のやましたひでこ氏は、断捨離の概念を「自分とモノとの関係を問い直し、暮らし・自分・人生を調えていくプロセス」と規定し、「不要・不適・不快なモノとの関係を、文字通り、断ち・捨て・離れ/引き算の解決方法によって停滞を取り除き/住まいの、暮らしの、身体の、気持ちの、人生の、新陳代謝を促す」生き方(「断捨離.COM」より)と書いている。

 断捨離を実践する人を「ダンシャリアン」と呼ぶ。有権者の圧倒的な期待を受けた政権交代を実現しながら、十分な努力もせずにマニフェストを破り捨て、党内抗争・主導権争いにうつつを抜かす菅直人政権を断捨離すること、それが日本にとって今年の最大のテーマだ。今、有権者1人ひとりが賢いダンシャリアンになれるかどうかが問われている。(文中敬称略)

不用品処分を頼まれて現場に足を踏み入れてみると・・・

 「よろず便利屋」を自称してトラックに乗っていると、不用品の処分を相談されることがある。昨年も数件あったが、下見のために現場に行くといつも驚く。足の踏み場もないほどモノが散乱しているのだ。

 「父が1人暮らしをしていたのですが・・・」と案内された室内には、高価だっただろうマニアックなオーディオセットがドーンと居座っている。隣にはカラオケセットと8トラックのテープが散乱し、周辺の棚という棚、収納可能なスペースにはレコード、テープ、MD、CDがあふれている。

 2階寝室の洋服タンスには娘さんが40年以上前に着ていたと思われるような真っ赤なワンピースが吊るされ、押入れの中には少年少女文学全集から昔の少女マンガ、小学校時代の成績表や賞状が山積みされている。タンスの引き出しには20年前の預金通帳や年金手帳、印鑑が入ったままだ。

 「家族で片付けようと何度も挑戦したのですが、捨てられなくてネー」と皆さん口をそろえる。「そうだろうなあ。一つひとつが肉親の思い出の品だからな」と同情するのだが、どうも実態は違うようだ。