米国のトランプ政権が国連教育科学文化機関(ユネスコ)からの脱退を宣言した。
具体的な理由は、ユネスコの「反イスラエル傾向」だとしているが、背景にはトランプ政権のユネスコ自体への不信感がある。ユネスコとは特定の政治意図を持つ活動組織のような機関だと認識しているのだ。
また、米国の保守派の間では歴史的に国連のような国際機関への批判が強い。とくにユネスコに対しては歴代政権がボイコットしてきた歴史がある。だから米国内では、今回の脱退宣言は意外なほど賛同を得ているようである。
十分な理由がある米国のユネスコ脱退
10月12日、米国政府はユネスコを2018年末で脱退することを正式に発表した。
翌日付の大手紙ウォール・ストリート・ジャーナルの社説は、「米国は反イスラエルの国連機関に財政支援をするべきではない」という見出しで、トランプ政権の決定に賛意を表明した。同社説の骨子は以下のとおりであった。
・トランプ政権はPRが上手ではないため今回のユネスコ脱退という動きは驚きで受け止められている。批判もあるだろうが、脱退という決定自体は正しい。