ロシア空軍アクロバットチームの「Su-30」戦闘機。フランス製の部品を搭載していた。

 7月18日から23日まで開かれたロシアの航空ショーMAKS2017には、米国、フランス、ドイツ、チェコ、ベルギーなど海外からの参加も多かった。

 前回はなくなっていたドイツパビリオンも復活し、展示会場は盛況であった。

 ターレス(フランス 航空用電子機器)、サフラン(フランス 総合航空防衛機器メーカー)、プラットアンドホイットニー(米国 ジェットエンジン)、ブローチェ(航空機生産設備)、ジーメンス(ドイツ NCシステム、産業機器等)、ASCO(ベルギー 機体構造部品)など、挙げていくときりがないほどの欧米企業が出展していた。

 ウクライナ問題によって発動されたロシアへの経済制裁は現在でも継続しているし、最近も米国による制裁強化が報道されている。しかし、先ほど名前を挙げた国々は制裁参加国であるが、ロシアの航空宇宙産業とのビジネスに励んでいた。

MAKS2017の米国プラットアンドホイットニーのブース。ロシアの旅客機に最新のギアードファンエンジンを納入する。

民間部門の航空宇宙産業は制裁対象外

 ほとんどの展示は、ロシアの航空宇宙産業の民間部門を対象とする展示であった。後述するように制裁の影響がないわけではないが、確かに、航空宇宙産業でも民間部門とのビジネスそのものは禁止されていない。

 ロシアでも「スホーイスーパージェット」や「MC-21」といった旅客機が開発されているし、ボーイングやエアバスのサプライヤーとなっている企業もあり、こうした民需部門に関わるビジネスであれば現在でも可能である。