あくまで結果論だが、ホンダはニッチメーカーとしては大きすぎ、フルラインナップのメーカーとしては小さすぎるという微妙な立ち位置になってしまった

FCAは発展的に解体していく?

 同じような状況にあるのがFCAだ。同社をめぐる動きはこのところ活発化している。

 FCAは米クライスラーにイタリアのフィアットが資本参加する形で出来上がった企業だが、上位メーカーには水をあけられており、その動向に注目が集まっていた。そのような中、中国の自動車メーカーである長城汽車など複数社が、FCAの買収を検討していることが明らかとなった。

 長城汽車は中国政府からの支援を受けていない純粋な民間企業で、販売のほとんどが国内向けだが、ピックアップトラックなどを得意としており、このところ販売台数を大きく伸ばしている。

 各種報道によると、長城汽車が買収を検討しているのは、SUV(多目的スポーツ車)など複数部門で、同部門には4輪駆動車の代名詞にもなったジープというブランドもある。もし買収が実現すれば長城汽車はこのブランドを武器に、得意のSUVでシェアを伸ばすことができるだろう。

 このほか複数の中国企業がFCAに関心を寄せているとされるが、FCA側は、高級ブランドであるマセラティやアルファロメオは残す方針といわれる。最終的にどのような形で再編が落ち着くのかは分からないが、同社は、クライスラー・ブランドの一般車、ジープ・ブランドを中心としたSUV、マセラティなどの高級車に分離していく可能性が高い。

 一連の動きの背景には、特徴あるブランドを持つニッチメーカーと、シェアを重視した巨大メーカーへの二極分化という流れがあることは間違いない。

 もしFCAが、前向きな形で解体された場合、数少ない中堅メーカーとなるホンダにはどのような選択肢が残されているのだろうか。もっとも有力なのは、他社との資本提携だが、国内メーカーのほとんどがトヨタ系列もしくは日産系列となっており、国内メーカーと組む選択肢は考えづらい。

 何よりホンダの八郷社長は他社との資本提携について今のところ完全否定しているので、あくまで仮定の話ということになってしまうが、ホンダの企業規模を考えると、現代との提携あるいは合併というのは十分にあり得るだろう。ホンダと現代が提携すれば、販売台数は1300万台となり、一気にトップメーカーに躍り出ることになる。