自動車産業は典型的なグローバルビジネスであり、世界市場でのシェアは重要な意味を持つ。かつては、国内シェアにもそれなりの意味があったが、状況は大きく変わった。2016年における日本国内の自動車販売台数はわずか500万台と、米国の3分の1、中国の5分の1しかなく、しかも販売台数は年々減少している。国内市場のシェアは、もはや自動車メーカーの経営に影響を及ぼすファクターではなくなっている。

 世界市場の伸びが鈍化している現状を考えれば、上位4社の影響力は今後、さらに大きくなってくるだろう。このような環境下では、中堅以下のメーカーは厳しい展開を余儀なくされる。生き残っていくためには、特徴あるクルマ作りを前面に押し出したニッチなメーカーになるか、M&Aなどを通じて規模を拡大し、上位メーカーに食い込んでいくしか方法はない。

ホンダだけが取り残された?

 このところ国内の自動車メーカー各社が、立て続けにトヨタもしくは日産の傘下に入っているが、一連の動きはこうしたグローバル市場の動向と無関係ではない。

 ダイハツはすでにトヨタの完全子会社になっているし、スバル(旧富士重工)も傘下入りを決めた。今年に入ってトヨタは、3月にスズキと業務提携を結び、8月にはマツダとの資本提携を発表している。スズキとの業務提携は、業界では「遺言提携」と呼ばれており、スズキの創業家がトヨタに生き残りを託したとも言われる。最終的にスズキもトヨタ・グループ入りする可能性は高いだろう。マツダとの資本提携も現状では対等だが、トヨタによるマツダ救済という側面があることは否定できない。

 一方の日産は、燃費不正問題で経営危機に陥った三菱自動車をグループに取り込んだ。冒頭でも触れたように、2017年の上半期においてルノー・日産が世界シェアでトップに立ったのは、三菱自動車の生産が回復したからである。

 ここで、市場の注目を集めているのが、どのメーカーとも提携の話が進んでいないホンダである。

 かつてのホンダはスポーティカーを得意としており、どちらかというとニッチな存在だった。だが1990年代に入って同社は戦略を大きく転換。ファミリー層を取り込み、フルラインナップのメーカーとなった。