アメリカ軍による軍事的威嚇の中、北朝鮮で軍事パレードが執り行われた。北朝鮮政府は多数の海外メディアを招き、国際社会に向けて軍事パレードの映像画像を発信した。
このデモンストレーションに関する日本政府のコメントやメディアの報道などをみると、新型「ICBM(大陸間弾道ミサイル)」(とみられるミサイル)に関心が集中していたようである。
もちろん、北朝鮮が核弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイルを完成させた場合、日本にとっても軍事的脅威は高まる。だが、パレードではICBMよりも直接的に日本にとって脅威となっている兵器を見せつけていたにもかかわらず、日本政府もメディアもそれらの直接的脅威に対しては言及していなかった。
日本にとってICBM開発が危険な理由
北朝鮮は軍事パレードの直後に「IRBM」(中距離弾道ミサイル、日本列島は飛び越してしまうが、アメリカ本土には届かない)の発射テストを実施し失敗した。したがって、新型IRBMやICBMといった長射程の弾道ミサイルが実戦配備段階に至っているとはいまだにみなすことができない。また、それらの弾道ミサイルに搭載する核弾頭も、まだ完成の域に達してはいないものと考えられている。
トランプ政権は北朝鮮の核実験、ICBM試射を強く警戒しているが、アメリカ本土が直接核弾道ミサイル攻撃の被害を被るには、ある程度の時間がかかりそうである。