本当に読むに値する「おすすめ本」を紹介する書評サイト「HONZ」から選りすぐりの記事をお届けします。
雨にも、風にも、そして顔にも負けない人でありたい(写真はイメージ)

(文:塩田 春香)

「人は見た目が9割」「人は見た目が100パーセント」「美貌格差」・・・その内容はさておき、こうした本やドラマのタイトルは多くの人が「見た目」に関心があることの表れだろう。

 では、もしも顔などの見た目に大きなあざや変形などの目立つ症状がある場合、ネガティブな人生が約束されてしまうのか? 

 本書『顔ニモマケズ─どんな「見た目」でも幸せになれることを証明した9人の物語』は、そうした症状をもつ「見た目問題」の当事者9人へのインタビュー集である。インタビュアーは、『夢をかなえるゾウ』や『人生はワンチャンス!』などミリオンセラーを繰り出してきた作家の水野敬也さん。じつは思春期の頃、自身の顔のむくみを異様に気にして、「醜形恐怖」という強迫観念に苦しんだ経験がある。

みんなすごいんだけど、みんな「普通」

本コラムはHONZの提供記事です

 顔に症状をもつ人たちが、人並み以上の苦労や理不尽を味わってしまうことは想像に難くない。でも、読みながら「すごいなあ、賢いなあ」と、思わず何度もつぶやいてしまった。本書に登場する人たちは、悩みながらも自分の道をきちんと選び取り、自分で居場所をつくりだして生きているからだ。