トランプ大統領の安全保障担当補佐官が、ロシアとの融和を図ろうとしたフリン元CIA長官からマクマスター陸軍中将に代わった。
マクマスター陸軍中将は、アメリカ軍や安全保障関係連邦議員などの“伝統的ロシア観”(ロシア軍は基本的にアメリカならびにその同盟国にとって脅威であり、仮想敵の1つであるとする立場)に立脚した人物である。
そのマクマスター陸軍中将が安全保障担当補佐官に就いたことで、トランプ大統領による対ロシア政策全体において、少なくとも米ロが軍事的に協調的なパートナーとしての関係に向かっていくという方向性は消え去ったとみてよい。
海軍に引き続き陸軍も戦力増強の動き
この動きに対応するように、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣は「2017年中に、西部国境地帯と南東部国境地帯に3個師団の兵力を展開させる。我々は千島列島の防衛にも鋭意努力しており、千島列島にも1個師団を今年中に配備する」と明言した。