嘉手納基地からネパールに向かう米海兵隊員ら

沖縄県の米軍嘉手納基地から大地震に見舞われたネパールに向かうため米軍の小型ジェット機セスナ・サイテーションウルトラに乗り込む米海兵隊員たち。米海兵隊提供(資料写真、2015年5月4日撮影・提供)。(c)AFP/HANDOUT/US MARINE CORPS/Lance Cpl. Makenzie Fallon〔AFPBB News

 トランプ新大統領は就任演説で「私たちは古くからの同盟を強化し、新たな同盟を構築する」と述べた。そして、安倍首相はトランプ大統領への祝辞メッセージの中で、「日本とアメリカの同盟の絆をいっそう強化していきたい」と伝えた。

 トランプ大統領も安倍首相も「同盟を強化する」と述べている。だが、両者が口にした「同盟を強化する」という表現の内容が果たして似通ったものなのか、それとも似て非なるものなのかは大きな問題である。

同盟はギブ・アンド・テイクの契約

 いかなる国家間の軍事同盟においても、当事国は同盟を結ぶことが自国の国益、とりわけ国防戦略上の利益になることを期待して同盟関係を構築する。

 それぞれの同盟国は、自国の国防戦略に必要な国防システムの弱点あるいは強化したい点を補強するために、同盟相手国が提供する条件を期待するのである。この事情は相手国にとっても変わらない。その意味で、それぞれの同盟国は相手国とギブ・アンド・テイクの関係に立脚しているわけである。

 日米同盟に即していうならば、日本は世界最大の軍事大国であるアメリカから核抑止力の提供を受けるとともに、有事の際には、敵地を攻撃したり遠洋でのシーレーンを防衛したり水陸両用作戦を実施したりするといった自衛隊に不足している各種戦闘力を提供してもらう権利を有している。そして、その対価として在日米軍に土地やインフラサービスそれに諸必要経費などを提供する義務を負う。