自衛隊の寝不足問題は深刻だ。護衛艦「やまぎり」艦長の大谷三穂二佐も寝不足だという(資料写真、出所:Wikipedia)

 国を問わず、そもそも軍事組織は寝不足になる傾向があるが、中でも日本の防衛省・自衛隊の睡眠不足問題は特にひどいものがある。

 自衛隊の事実上の準機関紙「朝雲」も筆者の指摘に対して「睡眠不足は仕方がない」という根性論を述べており、睡眠不足の現状を認めている。

 他方、米陸軍では睡眠不足問題に関する報告書の作成、各種施策、議論が始まっている。11月20日、米陸軍向け軍事誌「Army Times」は「陸軍には睡眠の問題がある。これを解決するための方法」と題する現役の陸軍少佐ジェフ・イェーガー氏らによる論説を掲載した。

 これは自衛隊にとっても非常に参考になる内容なので、その内容を要約して紹介しよう。

(参考・関連記事)「自衛隊幹部はもっと寝よう 寝不足では中国に勝てない

飲酒運転は許されず睡眠不足は許されるのか?

 アルコールの摂取が心的能力を損ない、ひいては意思決定を損なうことはつとに知られている。軍事組織は、そうした常識的に理由に基づき、任務中の飲酒を禁止している。