まずは、私たちの住む天の川銀河の中心部を捉えた、以下のアニメーションを
これは想像図ではなく、何年にもおよぶ観測に基づくものです。動いている光点は恒星で、それぞれが私たちの太陽のような立派な星です。そういう恒星が、まるでちっぽけな惑星のように振り回され、楕円
ところがその重力中心(画面の中央の☆印の部分)には何も見えません。真っ暗です。そこには、太陽質量の400万倍の巨大ブラックホールが存在するのです。
今回は、私たちに最も近いこの巨大ブラックホールについて、今年の7月に発表されたばかりの最新の結果を踏まえて紹介しましょう。
あの銀河もこの銀河も巨大ブラックホールを抱えてるんだ!
銀河とは、恒星が何百億、何千億も集まった群れです。恒星とは私たちの太陽のような巨大な星なので、それが何百億も集まってできている銀河は、想像するのも難しい巨大な「物体」です。そういう銀河が宇宙には無数に浮いているのです。
そういう銀河を観測してみると、中心部が異常に輝いているものが見つかります。銀河に属する恒星のエネルギーを全部合わせたくらいのエネルギーが、中心の一点から放射されているのです。そういう、「クエーサー」とか「活動銀河核」などと呼ばれる銀河の中心部には何があるのでしょう。普通の天体現象では説明できません。