ブレグジットで原油価格の主導権はブレントへ

懸念される欧州の原油需要減少

2016.07.08(金) 藤 和彦
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47287
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北海油田の石油プラットフォーム(資料写真、出所:Wikimedia Commons)

 英国のEU離脱決定を受けて、欧州の銀行は金融市場から容赦ない洗礼を浴びている。前回のコラム(「英EU離脱が引き起こす金融危機、震源地はここだ」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47227)でドイツ銀行の苦境ぶりを説明したが、7月に入るとイタリアの大手銀行に対する懸念が急速に高まってきた。

 イタリア最大の銀行であるウニクレジットの株式時価総額は120億ユーロだが、抱える不良債権は4倍以上であり(510億ユーロ)、イタリア全体で不良債権の総額は1980億ユーロにも上る(7月5日付ブルームバーグ)。

 英国でも不動産関連ファンドの償還凍結が相次ぎ、不動産関連融資が銀行にリスクをもたらす懸念が急速に高まっている(7月6日付ブルームバーグ)。

 このように欧州の銀行がまるでリーマン・ショック前夜の様相を呈してきており、欧州全体がリセションに陥る可能性が高まっている。

 そして、このことが原油価格の動向に影響を与えつつある。

市場関係者の注目はブレント原油へ

 世界の原油価格はこれまでのところ米国の事情が大きく反映されていた。米国で在庫が減少するとWTI原油先物価格が上がり、石油掘削装置の稼働数が増えると原油価格が下がるという具合である。

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経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

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