全国の国公立大学で進められている「改革」の本質とは?(写真はイメージ)

 文部科学省の主導による大学改革が続いている。

 2014年には「学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律」で学長の権限が強化され、世の中の関心を集めた。また、2015年6月の文科省の通知「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」は、文系学部の「廃止論」や「不要論」を呼び起こし議論となった。

 大学にしてみると、文部科学省からの交付金が減額されるなかで補助金を獲得するためにどうしても改革は進めなければならない。避けては通れない悩ましい課題である。

 地方の国公立大学に籍を置く当事者から見ると、文部科学省主導による大学改革は、誤解が蔓延しているようである。学長の権限強化や文系学部廃止論などを通じて大学が短期的に生まれ変わろうとしているという論調はミスリードになりかねない。

 まず、改革は短期間ではなし遂げられない。学生への教育の成果は早くても4年かかる。そのため、教育投資は短期ではなく長期の視点からしか効果を測ることができない。

 その上で、大学改革のポイントを一言で述べると、「文部科学省のリーダーシップに従い、いわばサブマネジャーである学長の下、ポートフォリオのマイナーなリバランスを実施する」こととなる。