国際合意に違反する北朝鮮の核実験やミサイル発射に対しての国連の制裁強化が決まった。
この制裁には中国も協力している。しかし、オーストラリアの企業からスポーツ衣類の製造注文を受けた中国の企業が、北朝鮮に下請けに出していたことが発覚した。北朝鮮製の製品が大量に「中国製」という偽の表示で各国の市場で出回っていたのだという。
表面上は北朝鮮への制裁に同意しながら、裏では北朝鮮経済を支援する中国の行為に、米国は疑念を強めつつある。
北朝鮮の工場の売上は数百万ドルに
この偽装事件は2月下旬、オーストラリア最大のメディアグループ「フェアファックス・メディア」傘下の新聞「シドニー・モーニング・ヘラルド」などの報道によって明らかになった。同報道によると、オーストラリアのサーフウェア、スキーウェア、登山服などスポーツ衣服の大手製造企業「リップカール」は、自社製品を「中国製」と称して、実は北朝鮮の工場2カ所で製造してきたという。
これらの工場は1カ所は平壌北約30キロ、もう1カ所は平壌南西約100キロにあり、2014年7月頃からリップカールの衣服を専門に製造してきた。