制裁解除を批判=「テロ支援の資金与える」-米野党

米テキサス州ダラスで開いた選挙集会で演説する米大統領選の共和党候補指名を争っているマルコ・ルビオ上院議員(2016年1月6日撮影)〔AFPBB News

民主ヒラリー、共和トランプ独走で中盤戦に突入

 「スーパー・チューズディ」を終えて、米大統領選予備選の輪郭がより鮮明になってきた。

 民主党大統領指名レースではヒラリー・クリントン前国務長官が独走態勢に入った。一方の共和党は不動産王ドナルド・トランプ氏が「保守草の根一揆」の波に乗って快走。キューバ系のマルコ・ルビオ上院議員が共和党保守本流の期待を一身に背負ってトランプ氏を追いかけるといった構図になってきた。

 これまでの論争では、外交問題は内政に追いやられて取り上げられてこなかった。が、クリントン氏は、ミネソタ州党員集会を前に地元紙に寄稿し、TPP(環太平洋経済連携協定)に「ノー」を打ち上げた。

 日本が為替操作しているといった難癖までつけている。

 予備選段階での発言は多分に票目当て。民主党の強力な支援団体の労組の顔色を窺うポーズだが、「ヒラリーが大統領になると、せっかく日米で合意したTPPはひっくり返される可能性が出てきた」(外務省筋)と早くも心配する声も出ている。

 では、トランプ氏が大統領になったらTPPはどうなるのか。

 同氏は、日米安保をめぐっては日本の「タダ乗り論」をぶち上げてはいるが、TPPについてはいまだ発言したことがない。

 「まだそこまで勉強していないんだろう」(米主要シンクタンク上級研究員)が、議会共和党はTPP賛成派が多いわけだし、「大統領になればTPPに賛成する可能性が大」(同)というのが大方の見方だ。

 いずれにしてもどちらが大統領になっても反日スタンスになることは不可避。「いろいろ批判されたが知日・親日のオバマが懐かしくなる時が必ずやってくる」(在米日本人商社幹部)のかもしれない。