野党の中で存在感を増し、選挙でも好調を伝えられてきた共産党だが、この間の注目される首長選挙では、ことごとく惨敗を喫している。大阪府知事選、大阪市長選、宜野湾市長選、京都市長選がそれだ。
いまから4年前、5年前といえば、共産党が長期低落傾向の真っただ中にあった。その時よりも苦戦しているのはどうしてなのか。その理由を探ってみたい。
京都市長選挙で惨敗した理由
直近の2月7日に行われた京都市長選挙では、現職の門川大作候補(自民、民主、公明が推薦)に、共産党推薦の本田久美子候補が挑んだ。結果は、門川候補の25万4545票(得票率63.8%)に対し、本田候補は12万9119票(32.4%)であった。門川候補が本田候補のほぼ倍の得票で3選を果たした。
4年前の選挙ではどうだったのか。同じく現職の門川候補に共産党推薦の中村和雄候補が挑んだ。選挙結果は、門川候補が22万1765票(53.8%)、中村候補が18万9971票(46.1%)だった。3万票程度の差であり、僅差であった。それが大差になってしまったのである。
この選挙結果について、山下芳生共産党書記局長は、「結果は残念だった」とした上で、「戦争法(安保法制)廃止の国民的共同が京都市長選を通じて、また一段と大きく発展した。非常に大きな希望だと感じた」と述べている。かつては同僚であり、何度も酒を酌み交わした山下氏のことはよく知っている。多少、教条的なところはあるが、こんな強弁をする人間ではなかったと思っていただけに驚いた。