「一人っ子政策」を正式に廃止、中国国営メディア

2015年10月、1970年代後半から続いていた中国の「一人っ子政策」が正式に廃止された。北京で子どもを抱く男性(2015年10月31日撮影、資料写真)。(c)AFP/WANG ZHAO〔AFPBB News

 中国におけるビジネス上のリスクについての3回目は、中国の社会問題を取り上げたい。近年の中国の経済発展は目覚しいが、その一方で各種の社会問題が山積している。今回は人口問題、言論・報道規制の問題、環境問題を中心に俯瞰してみたい。

中国の人口構成の問題点とは

 中国の人口(2015年)は13億7605万人で世界最大である。今後も増加が続くが、2022年にはインドに抜かれ、2028年にはピークを迎える見込みとなっている(国連予測)。

 人口構成においては、「一人っ子政策」等の影響で、他の新興国と比べると若年層の比率が低いことが特徴である。例えば、0歳から14歳が17.2%、15歳~19歳が5.7%であり、人口の中央値も36.96歳である。今後、本格的な少子高齢化社会が到来するとされている。

 少子高齢化の傾向に伴ない、労働人口が減少する傾向となっている。国家統計局が2013年1月に発表した2012年のデータによれば、生産年齢人口(15~59歳層)が建国以来、初めて前年を下回った。また、国際基準(15~64歳)による労働力人口は2016年にピーク(10億935万人)を迎えるとされている。青壮年(20~39歳)人口については、2002年にピーク(4億5610万人)を過ぎている状況である。