大学は、いつから学びの場所ではなく、就職予備校になったのだろうか?
就活時期は早期化の傾向をますます強めている。文系大学生では、3年生の夏ごろから就職活動をスタートさせ、最低でも半年から1年程度行うのが通常である。近年では理工系の学生の就職活動の期間も早期化しているという。
CSR重視の企業ほど学生の青田買いに熱心
悪いのは学生ではなく、企業と大学である。企業側の論理としては、早期に優秀な人材を取り込み、企業利益の最大化を図りたい意識が強い。
そして、競争意識が働くので、競合他社が学生取り込みに走れば、自らも先んじて行う。負の連鎖である。
こうしたことを行っている企業に限って、CSR(企業の社会責任)を重視していますと喧伝したがるお寒い状況がある。
一方、こうした状況を放置している大学側にも責任がある。大学全入時代である今、大学側は研究や教育内容の充実というよりは、どういった就職先があるか、企業内定率の高さを競っている。こうした大学は就職予備校と名を変えるべきであろう。
さすがに一部企業や大学もこうした状況に危機感を持ち、就職活動を4年生の夏からにということを言い始めた。当たり前である。
大学生の教師を派遣、教育格差是正を!
ただ、過去にも就職活動が早期化した際、協定を結び早期化を止めたものの、また協定破りが起こり同じことを繰り返した過去がある。
大学は学生のモラトリアムの場所で、企業はそれを前提に自らの利益最大化のために優秀な学生の囲い込みを行う構図自体には変化がないのである。
もっと抜本的に新しい取り組みを図る必要がある。例えば、大学生を教師として学校に派遣し、社会問題となっている教育格差を是正させ、同時に大学生自らの成長を図らせるのである。
企業は、そうした取り組みを金銭面などからサポートし、優秀でかつ社会貢献もできる人材を採用する。実は、こうした流れの延長上にある非営利団体が存在する。