(写真はイメージ)

 まずは読者のみなさまにお詫びを申し上げなくてはなりません。私は2013年にJBpressで「数の世界の大冒険」(http://jbpress.ismedia.jp/category/suuji)と題して連載を始めました。しかし、わずか2回でそれは中断してしまいました。

 その最後は次のように終わっています。

宿題:

1.プトレマイオスが地球の一周の長さをいかにして求めたかを調べてみよう。
2.1メートルはいかにして決められたかを調べてみよう。

 次回は地球を測るための数学の風景をながめていきます。

 この宿題の解答が書かれるはずの3回目が始まることはありませんでした。3年前に連載「数の世界の大冒険」を読んでいただいた読者のみなさまには誠に申し訳ありませんでした。

 3年前に連載を始めるにあたり、私が考えていたことは、毎日小学生新聞で2年間にわたり連載した「わくわく数の世界の大冒険」を大人編にブラッシュアップすることでした。

 そしてこの3年間に2つの連載を持ちました。朝日新聞朝刊「桜井進の数と科学のストーリー」と雑誌「月刊 測量」での「つれづれなるままに三角関数物語」です。

 かくして、心機一転これらの3本の連載を受けた形で新しい連載をここに始めようと思い立った次第です。

 通常、紙面における連載では読者の限定、文字数をはじめとする様々な制約があります。ウエブ連載の良いところは、限定や制限が紙面にくらべて少ないことです。

 さらに毎週連載ということで、これまで伝えられなかったことを思い存分書きしたためていくことができます。

 はじめのあいさつがお詫びからはじまることをどうぞお許し願います。しかし、それでも連載を仕切り直そうと思ったことには理由があります。

 日本では算数・数学という教科が小学校、中学校、高等学校と12年にわたり教えられます。しかし、いつしか「数学」は「テストのための数学」「受験のための数学」に変貌してしまう現実があります。