皆さんは「エコツーリズム」を体験したことがあるだろうか。
従来のただ行ってみて楽しむという観光のあり方ではなく、旅行先の地域固有の魅力をその地域で暮らす人の案内を受けて学ぶエコツーリズム。結果として、自然環境や歴史文化などを保全していくとともに、地域の活性化につなげるというものだ。
日本にも推進する団体・企業はいくつかあるが、「エコツーリズム」という言葉自体、聞きなれない人や、いまいちイメージが持てないという人も多いかもしれない。
私とエコツーリズムの出会いは、今年3月に行った小笠原旅行でのことだった。現地の方の案内で島をめぐるエコツアーに2日間参加し、エコツアー、そしてエコツーリズムとは何かを体感することができた。
前篇では、私が初めて経験した小笠原のエコツーリズムについて、海のエコツアーの様子を中心に紹介した(「大迫力のクジラに息をのむ!自然を体感する旅」)。
今回の後編では、「山のエコツアー」について紹介していく。
徹底した外来種対策
島について3日目。宿までガイドに迎えに来てもらい、途中お弁当を購入していざ山へ。登山道の入り口には、足の汚れを落とせるような装置が置いてあった。
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ガイドの説明を受けながら、網の上で靴についた泥を落とし、粘着テープで服についた種子や泥を落とし、最後に酢酸スプレーを靴にかける。
酢酸スプレーは、プラナリアの一種である「ニューギニアヤリガタリクウズムシ」対策だという。このウズムシは外来種であり、小笠原の貴重な陸産貝類を捕食することで問題となっている。